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全体性へ溶けていく

身体システム全体が落ち着くのを待ち、

導かれるように後頭部に手を置く。


始めは左右差を感じる。
片方に骨とは違う芯のある硬さ。
頭蓋内の知覚-硬膜の緊張だろうか。
主訴は「頭が締め付けられる」。


そのまま待つ。意識を広げて待つ。
もともと硬さを感じなかった側は
すでにスペースとして実感。


意識を広げたまま、さらに待っていると
硬さを感じた側が変化を始める。
小さな泡立ちの後、形が崩れはじめる。

角砂糖を水の中に入れて待っていると
何もしていないのに砂糖の中から
スカスカになっていくような感じ。


さらに待っていると
液状になり手の中にとろけてくる。
個別の構造が全体性の中に融ける。


しばらくすると
深い深い内側から外に向かって広がる
第一次呼吸の力強いインハレーションの動き。
「脳が深呼吸し始める瞬間」。


第一次呼吸が行ったり来たり。
その動きが安定してくるのを見計らう。

セッションの内容が統合されて
身体システムに落ち着く時間を持つ。


セッション後に起きあがったときの様子を見ると
目の輝きが違う。肌の張りが違う。
これから数日かけて調整が続くでしょう。


始まりは子どもの頃の事故だったかもしれない。
そのとき解消しきれない力が作用して
20年、30年かけて作られた身体システムの癖。


ゆっくり解いていきましょう。
解いてまた固まるかもしれません。
そうだとしても構いません。
何度でも何度でも解いていきましょう。


初めてセッションを受けた時の主訴を
今はすでに忘れているように
今の主訴もやがて忘れていくでしょう。
その結び目は元々なかったかのように。


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プロフィール

木村まや

Author:木村まや
1994年にクラニオセイクラル ワークに出会い、それからずっとこのワークの探求を続けています。

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