先天的/後天的
- 2015/12/07
- 13:14
質問:生まれつきの障がいについて。後天的な事故などによる損傷が回復する可能性については理解できますが、自力で生活できないレベルの生まれつきの障がいの場合、クラニオセイクラル バイオダイナミクスは効果があるのでしょうか?
まず最初に、私たちの身体が受精卵からどのように形成されるのかを説明してから、クラニオセイクラル バイオダイナミクスの視点による先天性/後天性の考え方、私たちの本来の能力、そしてセッションについてお話しをします。
私たちの身体ができるプロセスでは、卵管の途中で受精した受精卵は、卵管を通り抜けるまでの間、周囲に膜が形成されて同じサイズのまま、ひたすら細胞分裂を続けます。狭い卵管を抜けて広々とした子宮内に到達すると、卵は覆っていた膜を脱ぎ捨てて、サイズを気にすることなく更なる成長へと進みます。

引用:http://www.ne.jp/asahi/clinic/yfc/ovum.html
私たちの身体は、髪や目の色、肌の色、身長や特徴のある形など個々の性質を決める遺伝子よりも、もっと根源的な「生命の青写真(設計図)」を持ち、決められた時間に決められた手順で身体が作られていきます。
卵割が進むとここに背骨、ここに神経、ここに心臓、ここに内臓、ここに・・・と身体ができてきます。しかし発育途中に何らかの事故があったり、薬物の影響があったり、または個々の性質を決める遺伝子の組み合わせなどにより「生命の青写真」とは異なる編成が起こることがあります。そして誕生前に起こった望ましくないことを一般的には「先天性異常」のように呼びます。
クラニオセイクラル バイオダイナミクスの視点での身体の創造・維持・回復は、生命の青写真に沿ったものであり、たとえそれが遺伝子によるものであろうと、生命の青写真から外れているものを「後天的」と考えることができます。
そして、クラニオセイクラル バイオダイナミクスのセッションが「個々の歴史」の修復ではなく、本来こうあるはずだった状態へ可能な限り近づこうとする身体システムのサポートである限り「先天性異常」と呼ばれる状態にもワークする意義があります。
このワークは、身体の構造ではなく機能に働きかけます。身体の深淵なところで起こっている「タイド(Tide)」と呼ばれるゆったりとした潮の干満のようなクラニオのリズムが整うことを手助けします。力強く、規則的なリズムを取り戻すことで代謝系、免疫系、神経系など身体全体が恩恵を受けます。プラクティショナーは自分の「回復アイディア」を手放し、何が起こっているかをニュートラルに見守る観察者となります。回復を身体の叡智に委ねることによって予想以上の結果を得ることがあるからです。
それでは、クラニオセイクラル バイオダイナミクスは万能か?と言われるとイエスとは言えません。なぜなら、失ってしまった構造や機能の全てを取り戻せるとは限らないからです。
このようなとき、クラニオセイクラル バイオダイナミクスでは「個」を超えた視点で物事を眺めます。私たち人間、哺乳類が持つ機能・能力のひとつに「社会神経系」と呼ばれるものがあります。哺乳類は、その名が示すように育成過程で必ず保護者を必要とします。ですから私たちの本来の能力には「他者の援助を受ける」「他者を援助する」があるのです。
また、お互いの神経系の状態が共感しあう能力も持っているので、援助する人たちが穏やかでいることをサポートする=間接的に援助を受ける人をサポートすることにもなります。夜泣きをする赤ちゃんの場合、親が先にセッションを受けて落ち着くと、赤ちゃんは親の落ち着きを間接的に受け取り夜泣きがなくなることも良くあることです。
先天性であれ後天的であれ、援助を受ける人/援助をする人、そのどちらかが深く穏やかに落ち着くためのセッションは、「援助を必要としている本人」がどれくらい回復するのか?とは別の意味で双方に役立つことでしょう。

クラニオセイクラル バイオダイナミクスの固有のトリートメント プラン(Inherent Treatment plan)とは、個々の後天的な歴史の修復ではなく、元々持っている力・生来の力が発揮できることをサポートするものです。

まず最初に、私たちの身体が受精卵からどのように形成されるのかを説明してから、クラニオセイクラル バイオダイナミクスの視点による先天性/後天性の考え方、私たちの本来の能力、そしてセッションについてお話しをします。
私たちの身体ができるプロセスでは、卵管の途中で受精した受精卵は、卵管を通り抜けるまでの間、周囲に膜が形成されて同じサイズのまま、ひたすら細胞分裂を続けます。狭い卵管を抜けて広々とした子宮内に到達すると、卵は覆っていた膜を脱ぎ捨てて、サイズを気にすることなく更なる成長へと進みます。

引用:http://www.ne.jp/asahi/clinic/yfc/ovum.html
私たちの身体は、髪や目の色、肌の色、身長や特徴のある形など個々の性質を決める遺伝子よりも、もっと根源的な「生命の青写真(設計図)」を持ち、決められた時間に決められた手順で身体が作られていきます。
卵割が進むとここに背骨、ここに神経、ここに心臓、ここに内臓、ここに・・・と身体ができてきます。しかし発育途中に何らかの事故があったり、薬物の影響があったり、または個々の性質を決める遺伝子の組み合わせなどにより「生命の青写真」とは異なる編成が起こることがあります。そして誕生前に起こった望ましくないことを一般的には「先天性異常」のように呼びます。
クラニオセイクラル バイオダイナミクスの視点での身体の創造・維持・回復は、生命の青写真に沿ったものであり、たとえそれが遺伝子によるものであろうと、生命の青写真から外れているものを「後天的」と考えることができます。
そして、クラニオセイクラル バイオダイナミクスのセッションが「個々の歴史」の修復ではなく、本来こうあるはずだった状態へ可能な限り近づこうとする身体システムのサポートである限り「先天性異常」と呼ばれる状態にもワークする意義があります。
このワークは、身体の構造ではなく機能に働きかけます。身体の深淵なところで起こっている「タイド(Tide)」と呼ばれるゆったりとした潮の干満のようなクラニオのリズムが整うことを手助けします。力強く、規則的なリズムを取り戻すことで代謝系、免疫系、神経系など身体全体が恩恵を受けます。プラクティショナーは自分の「回復アイディア」を手放し、何が起こっているかをニュートラルに見守る観察者となります。回復を身体の叡智に委ねることによって予想以上の結果を得ることがあるからです。
それでは、クラニオセイクラル バイオダイナミクスは万能か?と言われるとイエスとは言えません。なぜなら、失ってしまった構造や機能の全てを取り戻せるとは限らないからです。
このようなとき、クラニオセイクラル バイオダイナミクスでは「個」を超えた視点で物事を眺めます。私たち人間、哺乳類が持つ機能・能力のひとつに「社会神経系」と呼ばれるものがあります。哺乳類は、その名が示すように育成過程で必ず保護者を必要とします。ですから私たちの本来の能力には「他者の援助を受ける」「他者を援助する」があるのです。
また、お互いの神経系の状態が共感しあう能力も持っているので、援助する人たちが穏やかでいることをサポートする=間接的に援助を受ける人をサポートすることにもなります。夜泣きをする赤ちゃんの場合、親が先にセッションを受けて落ち着くと、赤ちゃんは親の落ち着きを間接的に受け取り夜泣きがなくなることも良くあることです。
先天性であれ後天的であれ、援助を受ける人/援助をする人、そのどちらかが深く穏やかに落ち着くためのセッションは、「援助を必要としている本人」がどれくらい回復するのか?とは別の意味で双方に役立つことでしょう。

クラニオセイクラル バイオダイナミクスの固有のトリートメント プラン(Inherent Treatment plan)とは、個々の後天的な歴史の修復ではなく、元々持っている力・生来の力が発揮できることをサポートするものです。

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